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健診で貧血要精密検査の案内を受ける【鉄欠乏性貧血・スポーツ貧血】  

11月上旬に健康診断を受けました。自分的には練習不足で速く走れない以外はいたって順調だったのですが、検査結果が悪く要精密検査に。ランナーにとっては致命的なあれですね。貧血。。。

毎日市販薬の増血薬エミネトンを1日上限一杯までしっかり服用していましたが、全然効果なし。なぜなんでしょうね、体質ですかね。

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確かにヘモグロビン12.4g/dlは日常生活には支障はありませんが、市民ランナーには致命的な低さ。まぁそれは良いとしても問題はそっちではなく、おそらく赤血球数382。。。素人目にもまずいとわかります。採血は午後で前日の夜から10時間飲食しておらず、やや脱水状態だったので希釈されているわけではないと思います。(ランナーはトレーニングにより血漿量が増えて、あたかも赤血球が少なく見える事があります)

ちなみに適度な運動は免疫力を上げますが、月間700km走ったのが原因かはわかりませんが、白血球数も基準値を大きく下回り要経過観察となっています。

念のために過去3年分の献血の数値を確認するとヘモグロビンは13.5g/dl前後で赤血球数は450前後です。
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そんな訳で有無を言わせず日時指定で強制的に要精密検査を受けるようお達しを受けました。面倒ですがここはおとなしく受診しようと思います。

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貧血の原因も沢山あり精密検査をして原因を特定しなければ今後の対策も立てられません。(鉄欠乏・亜鉛欠乏・糖質不足・蛋白質不足・ビタミンB12不足・葉酸不足・腸管出血・溶血・その他の病気)

フェリチン(貯蔵鉄)があきらかに低下していれば鉄欠乏性貧血が確定するので鉄剤の服用を始めますが、原因が溶血性貧血であればクッション性のあるシューズを履くなり走行距離を減らすなり別の対策が必要です。

10月の練習を振り返ってみても心当たりが色々ありすぎて予測不可能です。1ヵ月の消費カロリーが42,264kcalなので単純に食事量が少なかったのかもしれません。
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それにしてもまだレースを走ってもいないのに今シーズンも敗戦色が濃厚になってきました。通知を受けてから検査日までの2週間は練習量を減らし食事量を増やして増量に努めたいと思います。

00:30 鉄欠乏性貧血・スポーツ貧血 | (0) | (0) | 


DNSをかけた10日間の完全休足【鉄欠乏性貧血・スポーツ貧血】 

9月~12月と不調は続き、恐らく貧血だなと思い1月からは貧血改善の為に食事量を増加しました。同時に鉄剤としてファイチの摂取も開始。そして1月中旬の血液検査でフェリチン血清鉄が低値なのを確認してから、1月20日以降は市販薬最強のエミネトンに変更しました。

エミネトンは鉄の含有量がファイチマスチゲンと比べて断然多く含まれています。ただし鉄欠乏性貧血が確定していないのに自己判断で摂取すると鉄過剰症の危険があります。予防のためには鉄の含有量が少ないファイチマスチゲンの方が良いのでしょうが、貧血の症状が出てきている場合はほぼ効果がありません。

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正直12月が不調のピークだと思っていましたが、1月頭~末にかけて更にもう一段階調子を落とした印象です。

5月6月7月8月9月10月11月12月1月
調子58910107665
平均体重(kg)62.861.960.259.459.260.060.461.1未計測
起床時心拍数未計測4138373941434446

上の表をみるとランニングの調子と起床時心拍数には強い相関関係が確認できます。7月~9月はほとんど40bpmを超える事が無かったのですが1月後半は50bpm前後が続いています。

そして大会までおよそ1ヶ月前の1月26日(水)。トラックでのポイント練習。メニューは不調を考慮して5000mx3本。繋ぎ1000mジョグ。

設定は本来のマラソン目標ペースである3'55/km。さすがにこのペースなら何とか走れるだろう、なんだったら最後の1本はビルドアップできるのではと考えていざスタート。

1本目の2000mから徐々にきつくなり3000mで一旦終了。400mをジョグで繋いで再度走り出すも2000m走ったところできつくなり終了。。。3本どころか1本もこなせず。。。このペースでゼェハァしながら走っている自分に少し笑いそうになりました。

昨シーズンも2月は調子を落として不調だったのですが、それでも練習でトラック10,000mを走れば36分00秒(3'36/km)で走れていたので、1000mあたり20秒も遅いペースにも関わらず、息切れして心拍数が上がり『これがスポーツ貧血ってやつかぁ、なるほど』と面白い経験ができました。

しかしこれ以上練習を続けていても全く意味がないと確信し起床時心拍数が下がるのを期待しつつ1週間の完全休養を決意。

日付1/261/271/281/291/301/312/12/22/32/4
起床時心拍数(bpm)47454849505251505150

全く調子が上がらず撃沈フラグが立っているので、姫路城マラソンはDNS決定です。この調子だと2月の平均は50bpm程度になりそうです。※2月7日追記:姫路城マラソンは中止が決まりました

とりあえず桜が咲く頃までしっかり休んで、その頃には恐らくかなりデブっているでしょうから4月頃からダイエット目的で少しずつまた走り始めようと思います。

19:00 鉄欠乏性貧血・スポーツ貧血 | (0) | (0) | 


市民ランナーのフェリチン値の測定【鉄欠乏性貧血・スポーツ貧血】 

前回の記事でここ3~4ヶ月の不調とスポーツ貧血の疑いについて書きました。それならばいつも通り献血に行ってヘモグロビンの値を確認しようと思いましたが、日常生活や普段のジョグでは全く症状が無く、速いペースで走った際に夏場と比べて1kmあたり5~8秒も遅いペースでしか走れていないパフォーマンスの低下が主な症状なので、ヘモグロビンの値よりもフェリチン値を計測しようと思いました。

しかしフェリチン値はどこの病院でも計測できるわけではなく、また別途自費が発生したり、そして検査と結果を聞きに2度も病院に足を運ばなければいけない事が億劫だったので、自宅で自己採血できるフェリチンの検査キットを使用してみました。※日常生活でも支障があるような貧血の場合は何か病気が隠れているかもしれませんので病院へ行きましょう。

素人が作ったかのようなチープなホームページや1990年代を思わせるデザイン、そしてパソコンでは表示されるが、スマートフォンだと上手く表示されない等、不安要素が沢山ありましたが無事に検査キットが届きました。リ・スタートフェリチン検査キット

初回は遠心分離機と検査キットのフルセットが必要で送料込みで11,000円。2回目以降は遠心分離機は再利用できるので検査キットのみの注文になります。ホームページで注文して検査キットが届くまで3日。検体をポスト投函して検査結果がメールに届くまで5日

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採血手順はYou tubeで動画が確認できます。しっかり説明書を読めば問題なく採血できます。針を刺す際はドキドキしますが、思いのほか痛みはありませんでした。しかし採決後5日程は物を強くつまんだ際に痛みがあったのでお仕事で手をよく使う方は採血日や手の左右に注意した方が良いでしょう。

フェリチン値は一般人と持久系アスリートでは基準が異なります。施設や医師によって基準値は様々ですが、概ね市民ランナーであれば下限値は男性30~40ng/ml女性20~30ng/mlです。それを下回るとパフォーマンスの低下がみられます。また12ng/mlを下回ると日常生活でも支障が現れます。

以下検査結果です。
市民ランナー・スポーツ貧血・フェリチン検査
ただし以下の注意事項がメールで送られてきます。

フェリチンに関しましては、血液検査センターで使用する検査機器と試薬で検査方法が異なります。ほとんどの一般的な血液検査センターは検査方法としてCLIA法(発光法)です。本キットは微量採血のため、本メーカーが採用している機器はラテックス法(吸光度法)であり、方法間差があります。血清フェリチン検出については現在標準化されておらず、ラテックス法はCLIA法に比べ約70%の低値となります。方法間差は標準化されていないため、補正等の妥当性確認ができず、補正して合わせるといった操作ができないので管理目安となります。つまり、本キットでの血清フェリチン値検査結果は、一般の検査所で行われる検査結果より約30%低い値となります。ただし補正は行なっておりませんので、0.7で割った値が、一般の検査結果相当となります。

つまり一般の病院での検査結果に合わせるならば自身の場合、16÷0.7=約23ng/dlとなり30ng/dlを下回っているのでフェリチン低値です。

補正しない場合は16ng/dlなのでこの検査での基準値(13~277ng/ml)ギリギリですが、この基準値は当然マラソンなどの持久系スポーツを前提とはしていないのでそう考えるとあまり好ましくない数値でしょう。

ヘモグロビンは過去3回の献血の数値と同じ13g台。そしてフェリチンのみ低値なので俗に言うスポーツ貧血で間違いなさそうです。

【献血での直近3回のヘモグロビン値】
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ちなみに検査結果に関して簡単な分析内容もメールで送られてきました。以下は一部抜粋。

血清鉄、フェリチン値共に低めの値になっており、特にフェリチン値は非常に少なくなっており、鉄分の不足が考えられます。お身体の中で鉄の吸収が効率的にできない原因がある可能性がありますので、医療機関でのご相談をお勧めいたします。また、タンパク質も不足状態であると考えられます。意識して摂取される必要があると思われます。』。。。なるほど。

今シーズンは6~8月は絶好調だったにもかかわらず9月下旬から一転絶不調になったのはこれが原因かもしれません。

少し話は逸れますが、日本体育大学の箱根駅伝に向けた選抜選手16名を4月・6月・9月・12月に血液検査をした結果、下の項目ではどの数値も4・6月が高値で、9・12月は低値だったという事です。
大学駅伝ランナーの年間トレーニングにおける各時期別の血液検査項目の動態

16名ヘモグロビン赤血球数(RBC)血中Fe
4月15.3±0.9g/μl490.4±24.0×104/μl123.8±23.8 μg/dl
6月16.1±0.6g/μl
493.3±20.1×104/μl
119.7±21.2 μg/dl
9月13.8±0.7g/μl451.5±24.0×104/μl74.1±19.6 μg/dl
12月13.9±0.9g/μl468.1±20.6×104/μl64.8±16.4 μg/dl

やはり年間通してもヘモグロビンの数値にはかなり幅があるのですね。特に春先のトラックシーズンよりも、箱根駅伝に向けた夏から秋のロードシーズンになると練習量も増加しヘモグロビンも赤血球数もかなり低値になっています。マラソン練習をしていても好調や不調の波があるのには納得です。

とりあえずフェリチンの値をある程度回復させるには3~6ヶ月かかるので、しっかり食べて、しっかり寝る。そしてオフシーズンの4~6月くらいにもう一度検査してみようと思います。やはり血液データは基準値で比較するよりも調子の良い時やオフシーズンの自分自身と比較するのが現状を把握するには一番だと思います。

23:00 鉄欠乏性貧血・スポーツ貧血 | (0) | (0) | 


スポーツ貧血、その原因は鉄の摂取不足だけではない! 

9月に調子を落としてから早3ヶ月、調子は一向に上がらずポイント練習も全くスピードが出ない。最初は楽観視していましたが、先日のポイント練習で現状を把握して『あっ、これはただの不調ではないな』と確信しました。

市民ランナーならば練習をしていて『今日は調子が悪い』や『先週は走れたのに今週は全然体が動かなかった』などは日常茶飯事だと思います。しかしそれは一時的な疲労であって少し休息を入れればすぐに元の状態に戻ります。ただその不調が2~3ヶ月継続した場合、それは調子が悪いとか練習不足とかそう言うレベルの話ではなく、大体の場合『スポーツ貧血』か『オーバートレーニング症候群』です。

貧血と聞くと症状としては『常に体がだるい』『立ち眩みがする』『階段の上り下りが辛い』などを思い浮かべますが、スポーツ貧血の場合、そこまでの強い症状が出るのは相当の末期で、通常は『パフォーマンスの低下』が主な症状です。ですからスポーツ貧血を発症していても日常生活には全く支障がないので気づいていない市民ランナーがほとんどではないでしょうか。

そのパフォーマンスの低下も、全く走れないのではなく、微妙にタイムが上がらないといった程度です。中途半端に走れてしまうのが逆に厄介です。自分の場合も普段のジョグで不調を感じる事はほぼありません。

今シーズンの自覚的な調子を月毎に10段階で表すと下のような感じになります。今シーズンは3~4月に丸々1ヶ月間全く走らない完全休養を入れました。そして自分史上最重量の65kg台へ一時的に突入。(身長177cm適正体重68kg)。5月頃から緩めのポイント練習を少しずつ始め、6月からカロリー制限による減量も始め、謎に7~9月中旬までは過去10年で一番の絶好調。しかしそこから一転、不調が続いています。

5月6月7月8月9月10月11月12月
調子5891010766
平均体重(kg)62.8
61.960.259.459.260.060.461.1
起床時心拍数未計測41383739414344

14kmのペース走で見る調子
日付タイムペース調子の自覚
05月29日55分15秒3'57/km普通
06月05日54分54秒3'55/km普通
06月16日54分26秒3'53/km普通
07月28日54分11秒3'52/km普通
09月04日54分13秒3'52/km普通
09月29日56分00秒4'00/km余裕なし
10月09日55分48秒3'59/km余裕なし
11月06日55分33秒3'58/km普通
11月27日55分28秒3'58/km普通
12月11日56分05秒4'00/kmややきつい
12月29日55分52秒3'59/kmややきつい

暑い時期にも関わらず7月や9月中旬では3'52/kmで普通に走れていましたし、ポイント練習を再開して1ヶ月ちょっとの6月でさえ3'53/kmで走れています。

しかし気温が下がってきて例年ならペースが上がってくる9月末以降は逆に4'00/kmのペースでもややきつさを感じながら練習していました。またインターバルでもいつもは10本できるペースでも5本前後で終了したり、また短い距離でもペースが全然上がらないといった感じです。

一般的に貧血になると800mの選手でもタイムが5秒遅くなると言われているので、1kmなどの短い距離でもスピードが思っているように出せなかったのは納得です。

そもそも自分は結構貧血に陥りやすい体質なので注意はしていました。毎朝飲むプロテインにも鉄分は含まれていますし、たんぱく質もしっかり摂取していましたが、なぜ貧血になったのでしょうか。今振り返るとそれは原因が鉄の摂取不足ではなく、減量により利用可能エネルギー(energy availability)が慢性的に不足していたからだと思います。

まず今シーズンを紐解くと3~4月に1ヶ月間全く走らなかった事で鉄の必要量が減少し、さらに暴飲暴食を続けたことで摂取エネルギー消費エネルギーとなり利用可能エネルギーが増えたことで体内の鉄量が一気に増加したのではないかと考えています。またランニングを中止したことで着地衝撃による溶血もほぼ起こりません。

そして5月から2ヶ月ぶりのポイント練習を開始しますが、最初は心肺機能の低下により全く走れませんでしたが、心肺機能が回復するにつれ、休息していた際に沢山貯め込んだ体内の鉄量のおかげか6~9月は絶好調でした。しかし6月から減量を始めていて、そうなると必然的に消費エネルギー摂取エネルギーとなり慢性的に利用可能エネルギーが不足します。また夏場の発汗などにより、しっかり鉄分を摂取していても徐々に貯め込んでいた鉄量が減少していきます。

おそらく最初の頃は減量によるパフォーマンスアップ(最大酸素摂取量の増加)貯蔵鉄減少によるパフォーマンスダウン(最大酸素摂取量の低下)、だったのですが、ある一定のところまで体内の貯蔵鉄(フェリチン)が減少するとそこからは貯蔵鉄減少によるパフォーマンスダウン(最大酸素摂取量の低下)減量によるパフォーマンスアップ(最大酸素摂取量の増加)になり、一度そうなってしまうとそこからはいくら低体重を維持しようが、更に減量しようが一向に調子が上がらない状態が続きます。

意外と知られていませんが、最近ではスポーツ貧血の原因は鉄自体の摂取量不足よりも利用可能なエネルギーの不足が原因として多いことがわかってきました。

さらに最近注目されているのがヘプシジンと言われるホルモンです。ヘプシジンは食物からの鉄の吸収を阻害するホルモンなので、これが血中に多いといくら鉄を摂取しても排泄されてしまい吸収されません。

ヘプシジンは一般的に長時間運動の3時間後に血中濃度が大きく上昇します。更にこのヘプシジン食事制限(カロリー制限・糖質制限)中のトレーニングで増加が加速する事がわかっています。つまり減量しながらマラソン練習を続けると鉄の吸収が慢性的に阻害されてしまいます。

貧血は一般的にはヘモグロビンの数値で診断されますが、持久系スポーツの場合、ヘモグロビンの数値よりも貯蔵鉄であるフェリチン値が下がった段階でパフォーマンスが低下すると言われています。そしてこのフェリチン値は一般の血液検査では調べられません。自身は献血に行くとヘモグロビンの数値はいつも13g/dl台で基準値ギリギリですが、フェリチン値は計測したことがありません。

直近3回の献血結果
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14g/dl以下がスポーツ貧血の基準なので、万年貧血気味なのでしょうか。赤血球数もお世辞にも多いとは言えません。

スポーツ貧血になる時にはヘモグロビンよりもフェリチンが先に減少し始めるため、鉄欠乏を早期に発見する為にはフェリチン値は便利な指標です。逆にいうとフェリチン値を測定しなければスポーツ貧血の診断はできません。そして貯蔵鉄であるフェリチン値の低下は最大酸素摂取量と比例するため、持久力が低下します。

昨シーズンハーフマラソンのベストと3rdベストを出した時は今以上に体重が重かったので、自分の場合、パフォーマンスに影響を及ぼす因子は体重よりもその時の体内のヘモグロビンやフェリチン値の方が強いのかもしれません。理想は体重も減らしつつ、体内の鉄量を増やす事ですが中々難しいのが現状です。

日付タイムペース前日の体重
2020年11月22日1時間17分58秒3'41/km61.9kg
2021年01月10日1時間18分22秒3'43/km62.5kg

とりあえず貧血を治すには沢山食べて利用可能エネルギーを増やすしかありません。ここまで走れないと体重なんて気にしていてもしょうがありません。ただファイチエミネトンデーツ赤身肉で鉄分、葉酸、亜鉛の摂取は意識的に増やそうと思います。
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マラソン練習で調子を落として走れなくなった時『練習不足かな?』と安易に考えてしまいがちですが、余程サボっていない限りは練習不足などありえず、そもそも練習が不足しているから走れないのではなく、調子が悪いから質の高い練習や追い込んだ練習ができない・こなせない場合がほとんどです。

またよく言われる『スランプ』なんかも、結局はスポーツ貧血だったりします。

有病率は様々なデータがありますが、5~30%と言われているのでそれ程珍しいものではなく、比較的誰にでも起こりえます。

それにしても今回に限らず毎シーズン貧血を発症している気がしますが、体質でしょうか?まぁマラソン練習をしているとこうした新たな発見があるので楽しいのですが。1ヶ月では回復しないだろうから姫路城マラソンはファンランかDNSでしょうか。そもそも開催自体怪しくなってきましたが。フェリチン値の測定へ続く。

20:45 鉄欠乏性貧血・スポーツ貧血 | (0) | (0) | 


市民ランナーの為のスポーツ貧血の話(後編) 

前編ではフェリチンの重要性について書きましたが後編では貧血の改善に向けた鉄分の摂取について。


鉄分の摂取方法

日常生活での症状がある重度の鉄欠乏性貧血では病院で処方される鉄剤(フェロミア等)を服用し、スポーツの中止が必要ですが、軽い貧血であれば鉄を含む食品を摂取しつつ練習量を落としながら回復させていきます。

鉄の種類と吸収率
鉄にはヘム鉄非ヘム鉄があり、それぞれ含まれる食品や吸収率に差があります。
種類主に含まれる食品吸収率
ヘム鉄赤身肉・魚15~25%
非ヘム鉄野菜・穀物2~5%

上の表からもわかるように、鉄の吸収率は非常に低いため、1日の鉄の喪失量は1mgですが、1日に最低12mg以上の鉄を摂取することが望ましいと言われています。


鉄を多く含む食品

食品成分表に載っている食品100gあたりに含まれる鉄分量をみて判断する人がいますが、それよりもその食品1食あたりの鉄含有量で判断しなければいけません。いくらパセリが沢山鉄を含んでいても、1回の食事でそんなに沢山食べれませんからね。(四訂日本食品標準成分表)

食品名
100gあたりの鉄
1食利用量
g
豚レバー13.0mg506.5mg
鶏レバー9.0mg504.5mg
シジミ10.0mg303.0mg
アサリ7.0mg302.1mg
牛レバー4.0mg502.0mg
ほうれん草3.7mg501.9mg
4.6mg180.8mg

上の表を見ると豚のレバーと鶏のレバーが圧倒的に鉄分を含んでいます。なので毎日豚レバーと鶏レバーを食べて貧血を改善しようとしてしまいがちですが、注意が必要です。この2つの食材にはビタミンAがものすごく大量に含まれています。ですから食べ過ぎてしまうとビタミンA過剰症になり体調不良が現れる場合があります。

30~49歳男性の場合、ビタミンAの1日必要量は900μgRAEで、上限は2,700μgRAEです。30~49歳女性の場合、1日必要量は700μgRAEで、上限は2,700μgRAEです。

しかし各種レバー100gに含まれるビタミンAは下表のとおりです。
豚レバー13,000μgRAE
鶏レバー14,000μgRAE
牛レバー1,100μgRAE

書き間違いではなく、特に豚と鶏のレバーにはとんでもないくらい大量のビタミンAが含まれています。1日必要量の15~20倍。上限もはるかに超えています。ですからもし食べるとしても週に1回、20~30gで十分です。また味に癖がありますが、牛レバーの方ビタミンAが少なくおすすめです。


鉄の吸収を妨げる飲み物

タンニンは鉄の吸収を妨げます。タンニンの含有量(100ml中)
紅茶(100mg)緑茶(70mg)コーヒ(60mg)烏龍茶(30mg)麦茶(10mg)

鉄の吸収を考えると食事前後30分の紅茶、緑茶、コーヒーは控えた方がよさそうですが、実際そこまで神経質にならなくても多少のコーヒー程度だとそこまで影響はないとも言われています。


鉄の吸収を妨げるホルモン

近年ヘプシジンと呼ばれるホルモンが注目されています。ヘプシジンは鉄の吸収を阻害するホルモンです。人間の体は体内の鉄の量を一定に保とうとするので鉄が過剰に摂取されるとこのホルモンが分泌され鉄の吸収を止めてしまいます。そしてこのヘプシジン、実は強度に関係なく、長時間の運動後、3時間で血中の濃度が上がります。つまりそのタイミングで食事をすると鉄がしっかり吸収されない可能性があります。

また一般人と長距離ランナーを比較すると安静時のヘプシジンの濃度は長距離ランナーの方が高い事がわかっていて、更に筋肉内のグリコーゲンが枯渇した状態(糖質不足)でトレーニングをするとホルモン分泌が加速する事がわかっています。

また鉄のサプリメントを摂取しながらトレーニングをしているグループと何も摂取せずにトレーニングをしているグループでは前者の方がヘプシジンの血中濃度が高い事がわかっています。鉄を摂取すればするほど鉄の吸収を阻害するホルモンが沢山分泌されるとは何とも本末転倒です。

しかしヘプシジンの血中濃度が高くなっても鉄を摂取している分だけ、何も摂取していないグループよりは体内に鉄を取り込めているかもしれませんので、これをもって鉄のサプリメントを摂取しても無駄だとは限りません。


利用可能エネルギーの不足(energy availability)

持久系スポーツで近年注目されているのが栄養不足(カロリー不足・糖質不足)です。一般的には鉄欠乏性貧血は鉄分の摂取不足だと思われがちですが、少し気をつけて食事をしていれば鉄分は十分に摂取できている事がほとんどです。なのに長距離ランナーに貧血が多いのは単純に利用可能エネルギーが不足している消費エネルギー>摂取エネルギー)と言われています。特に減量の為にカロリー制限や糖質制限をしているランナーは注意が必要です。

よく女性ランナーでは無月経が問題になります。なぜ無月経になるかと言うと激しい運動をするからではありません、それよりも利用可能エネルギーの不足が原因です。

体重を気にしてしっかりと食事を取っていないと体がエネルギー不足だと認識し、生命維持に必要な細胞を作り替えたり、ホルモンを産生したりする事にエネルギーを優先的に割り振ります。そして生命維持に必要ではない生殖機能をストップさせます。

ちなみに野口みずきさんは月間1300km走ろうが、しっかりとそれに見合う食事を取ってたことで現役時代には一度も無月経にならなかったそうです。

これと同じように利用可能エネルギーが慢性的に不足しているといくら鉄分を沢山摂取しようとも、造血能力が低下して、しっかりとした赤血球が作られず数も大きさも不足します。

つまり鉄欠乏性貧血では鉄分の摂取よりもまず第一にしっかりと食事を取る事が重要だと言われています。そうする事で多少の体重増加があるかもしれませんが、いくら減量して体重が軽くなろうとも、鉄不足では思ったパフォーマンスは発揮できません。

ランナーにとってのベスト体重とは軽い事ではなく、一番状態が良く、走れる体のことです。少し体が重くても、しっかり食事を取って体内の鉄量が増えれば自分でも驚くくらいの走りができると思います。

西院かんな整骨院
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マラソン・ランニング・ジョギング障害!

01:26 鉄欠乏性貧血・スポーツ貧血 | (0) | (0) | 


市民ランナーの為のスポーツ貧血の話(前編) 

持久系スポーツと貧血は切っても切り離せない関係にあります。なぜなら本人が思っている以上に体内の鉄量によってタイムやパフォーマンスが大きく左右されているからです。一般的には鉄欠乏性貧血とは血液中の赤血球またはヘモグロビン(Hb)が減少した状態です。赤血球の場合は数だけではなく、大きさ自体も小さくなります。


赤血球とヘモグロビン

赤血球の寿命は約120日です。赤血球に含まれるヘモグロビンはヘム(鉄)とグロビン(アミノ酸=タンパク質の一種)で構成されています。したがってヘモグロビンを作るためには鉄分とタンパク質の摂取が不可欠です。
市民ランナーマラソンスポーツ貧血

特に持久系のスポーツを行っている場合は一般人の基準値よりもやや高めの基準値が設定されます。
基準値
ヘモグロビン
男性14.0g/dl以上
女性12.5g/dl以上
赤血球
男性440~540万個/mm3
女性380~460万個/mm3

しかしこの基準値を下回っていても自覚症状がなく練習を継続している市民ランナーが実は沢山います。一般人に比べると心肺機能が高いため、日常生活ではほとんど症状が現れません。ただ少しきつめの練習をすると以前と比べてペースが上がらず『なんだか最近調子が悪いな』で終わってしまいます。

人間の体は徐々に貧血に適応するため、ヘモグロビンが1桁になっているにも関わらず普通に練習しているランナーもいたりします。


鉄の体内での存在形態

通常体内には成人男性で約3g(3000mg)成人女性で約2g(2000mg)の鉄が存在しています。1日に喪失する生理的な鉄量は1mgでそれを補うかたちで1mgの鉄が食事により摂取されます。3000mgもあるのにわずか1mgの出入りしかないとは意外に思われるかもしません。ただ鉄は体にとって必要不可欠なので体内で常に再利用して使われています。

形態鉄タンパク質成人男性(70kg)
機能鉄
ヘモグロビン2300
ミオグロビン320
ヘム酵素80
非ヘム酵素100
トランスフェリン鉄3
機能鉄合計(約75%)2800mg
貯蔵鉄
フェリチン700
ヘモジデリン300
貯蔵鉄合計(約25%)1000mg

上の表のように体の中の鉄は様々な働きをするため、様々な形態で存在します。ここで重要なポイントは鉄は機能鉄貯蔵鉄(肝臓、脾臓、骨髄などで貯蔵)に分かれますが、一般の血液検査では機能鉄であるヘモグロビンの濃度は調べますが、市民ランナーはそれ以上に貯蔵鉄であるフェリチンがとても重要になってきます。


鉄欠乏の進み方

ランナーでは大量の発汗や足底での着地衝撃による血管内溶血(赤血球の膜は非常に薄いため、簡単に破れてヘモグロビンが外に漏出する)で失われたり、女性の場合では月経により1日2mgもの鉄を喪失します。最近では鉄の摂取不足よりも減量などにより消費エネルギー>摂取エネルギーとなる利用可能エネルギーの低下が鉄欠乏性貧血の原因の大きな要因と言われています。

通常体内の鉄の減少は貯蔵鉄(フェリチン)機能鉄(ヘモグロビン)の順番で進みます。逆に貧血から回復する際には鉄は機能鉄(ヘモグロビン)貯蔵鉄(フェリチン)の順で増加します。つまり貧血はヘモグロビンよりも先にフェリチンの値に現れます。


貯蔵鉄(フェリチン)の重要性
市民ランナーでは鉄欠乏状態でも自覚症状がない事が非常に多く、血液検査でヘモグロビンの値は正常であってもフェリチンの値が低下している場合があります。俗にいうスポーツ貧血かくれ貧血と呼ばれるものです。

ヘモグロビンの低下があれば貧血の典型的な症状、体のだるさ、極度の疲労感、立ち眩み、階段昇降時の息切れなどが現れる場合もありますが、持久力を要するスポーツではその前段階であるフェリチンの低下の時点でパフォーマンスにはっきりと影響があらわれます。

ただ普段のジョグでは全く不調を感じないけれど、ポイント練習をすると以前と比べてスピードが出ない。ただ練習を中止しなければいけないほど走れないわけではない。これがスポーツ貧血が見落とされてしまい、単なる不調で片付けられてしまう原因でもあります。


フェリチンの正常値

男性市民ランナーであれば30ng/ml以上女性市民ランナーであれば20ng/ml以上が望ましい値と言われています。絶対的な基準値があるわけではないので施設や医師によってもばらつきがあります。鉄欠乏性貧血ではほとんどの場合、フェリチン値が10未満になります。普通に日常生活を送るだけではフェリチンが1桁でも症状が全く自覚できない事もよくあります。

女子ランナーはフェリチンの値が20ng/mlを切るあたりから調子を落とし、12ng/ml以下になるとまともには走れない』(大阪体育大学 豊岡示朗教授)

つまり一般の血液検査でヘモグロビンの値が正常でも最近なんだか記録が伸び悩んでいる、以前楽に走れていたペースが急にきつくなったなどがあればそれはもしかしたら貯蔵鉄であるフェリチンの減少によるスポーツ貧血かも知れません。

スポーツ内科や婦人科系のクリニックでは別途自費でフェリチンの検査が可能であったりします。職場等での健康診断でも別途追加料金でフェリチンの検査ができないか確認しておくと良いかもしれません。また少しお値段は高いですが、市販のフェリチン検査キットを利用する事も可能です。

後編へ続く。自身の貧血の記録はこちらへ。

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マラソン・ランニング・ジョギング障害!
05:02 鉄欠乏性貧血・スポーツ貧血 | (0) | (0) | 


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