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鵞足炎【マラソン・ランニング障害】 

鵞足炎とは膝の内側にみられるランニング障害と紹介されますが、正確には膝のお皿の下端から4~5cm下、つまり脛の上部の障害です。膝の内側が痛い場合は別の疾患が考えられます。

鵞足(がそく)とは①縫工筋(ほうこうきん)薄筋(はっきん)半腱様筋(はんけんようきん)の3つの腱の停止部です。ガチョウの足の水かきに似ているのでこう呼ばれます。

鵞足炎は水泳の平泳ぎのキック動作で良く発症するため別名『平泳ぎ膝』とも呼ばれます。先天的にX脚であったり、膝の内側の骨の出っ張りが大きい人はリスクが高まります。

 鵞足炎・鵞足滑液包炎

鵞足のさらに深層には内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)があります。反復する膝の屈伸動作で鵞足腱と内側側副靭帯との間の摩擦が発生原因と考えられています。また鵞足と内側側副靭帯の間には鵞足滑液包(がそくかつえきほう)と呼ばれるクッションのような組織があり、そこに炎症が起こると鵞足滑液包炎となります。

ランニング動作で脚を後ろに蹴り出す動作や、サッカーでボールをキックした脚を減速させる際などの繰り返しで発症します。

またガングリオンと呼ばれる腫瘤ができていたり、外骨腫(がいこつしゅ)と呼ばれる良性の骨腫瘍が疼痛の原因になることもあります。
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鵞足炎の症状
・ランニングの蹴り出し動作時の痛み
・階段の昇りでの痛み
・胡坐(あぐら)で増強する痛み
・鵞足部の圧痛み

ただし膝の痛みがない方の約30%に鵞足部に圧痛があったという報告もあるので押して痛い=鵞足炎ではありません。また膝の内側の痛み=鵞足炎でもありません。鵞足炎と自己判断して受診する方のほとんどが膝の内側の痛みを訴えますが、そこではありません。下図の赤〇部分です。

蹴り出し動作時に膝が内側(Knee-in)でつま先が外側(Toe-out)の状態で鵞足部に強いストレスがかかります。
pesanserinuskneeintoeout.jpg

   gasoku2015-7.jpg


鑑別
脛骨疲労骨折・脛骨骨挫傷・内側側副靭帯損傷・内側半月板損傷・変形性膝関節症・骨腫瘍・ガングリオン。など。
鵞足炎と間違えてはいけない骨挫傷

鵞足炎と同じ部位に起こるランニング障害として脛骨の骨挫傷(こつざしょう)があります。個人的には軽度の骨挫傷を鵞足炎と勘違いしているランナーが多い印象です。

骨挫傷についてはこちらで説明しています。


治療

ハムストリングスを中心とした下肢の筋肉のストレッチ

膝が内の入らないようなランニングフォームへの修正

そして一番重要なのはしっかりとジョグをして故障しない体を作る事です。しっかりとした土台がない状態でハードなトレーニングをするから故障するのです。また月間走行距離が少ないランナーが身の丈を超えた長い距離のレースを走るから故障するのです。

しっかりとした脚づくりができていれば、体が硬かろうがランニングフォームが少し悪かろうが故障はしません。市民ランナーの場合は練習のし過ぎで故障すると言うよりは練習不足で故障する頻度が高い印象です。フルマラソン以上の距離を走るなら最低でも月間300kmは走りましょう。

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西院かんな整骨院
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マラソン・ランニング・ジョギング障害!

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