fc2ブログ
 ← 400m x 10本 レペティション | TOP | ランニングミサンガ

ランニング時の呼吸調節 

ランニング中にスピードを上げていくと徐々に呼吸が速くなり『ゼェーハァー・ゼェーハァー』するようになりますよね。でも別に自分では意識していませんよね、つまり体が自然と呼吸を調節しているんです。(以下長文です。基本的に検索者を対象に書いています)

体内の呼吸中枢は延髄のあたりにあります。そして体内には呼吸中枢に情報を送るセンサーのようなものがあり、主に抹消化学受容器(頚動脈小体・大動脈小体)中枢化学受容器(脳幹)などで前者は主に酸素・O2を鋭敏に感知し、後者は主に二酸化炭素・CO2やH+を鋭敏に感知します。

なるほど、走っていると徐々に酸素不足になり、センサーである抹消化学受容器(頚動脈小体・大動脈小体)が刺激され、それが呼吸中枢のある延髄に伝わって自然と呼吸が速くなるんだな!って言うのは少し間違いです。

酸素は主に体内では血液中のヘモグロビン(以下Hb)によって運搬されています。ちなみに二酸化炭素は血液中に直接溶解されたり形を変えて運搬されています。心臓の右心室⇒肺⇒左心房と血液が流れる際に肺胞(3臆個・テニスコート半面分)で酸素を受け取り二酸化炭素を渡します。平地であれば肺胞を通過したHbのほとんど全てと言っていい約97%は酸素と結合します。そして今度は左心室⇒全身の筋肉・臓器etc.⇒右心房と血液が流れる際に組織に酸素を渡し二酸化炭素を受け取ります。
heart.jpg lungs.jpg Hb.jpg
安静時であれば全身を巡り再び心臓に戻ってきたHbの約75%が酸素と結合したままです。意外と酸素って使われずに帰ってきます。運動時でもHbの約25%が酸素と結合して帰ってきますから運動時でも酸素が不足するって事はあまりありません。なので酸素が足りないから息苦しいのではないんです。

じゃあ何故息が苦しくなり呼吸が速くなるのか、それは血液中の二酸化炭素が増加しそれがセンサーを刺激するからです。細胞内のミトコンドリアで糖質や脂質をつかってエネルギー(ATP)を作る過程で水と二酸化炭素もできます。走るスピードを上げていくとどんどんエネルギーを作らなければいけません。つまりどんどん血液中の二酸化炭素も増加します。

体内の血液中の酸素は生理的な変動範囲が大きいのでそれほど厳密に管理される必要はないんです。しかし二酸化炭素は生理的な変動範囲が酸素に比べて随分と狭いので厳密に管理する必要があります。
動脈血静脈血変動差
酸素分圧(PO2)100mmHg40mmHg60mmHg
二酸化炭素分圧(PCO2)40mmHg46mmHg6mmHg

血液中の二酸化炭素は少し増加するだけで呼吸を刺激しますが、酸素はかなり減少しないと呼吸を刺激することはありません。なので運動中の呼吸調節は主に二酸化炭素によるところが大きいのです。

つまり走っていて息が苦しくなり呼吸が速くなるのは決して体内の酸素が不足しているからではなく、二酸化炭素が蓄積しているからです。例えば走り終わった後に呼吸が苦しくなった人が口に酸素ボンベを当てたりしていますが、あまり意味がないように思います。だって平地であれば肺を通過したHbの酸素飽和度は約97%なので、それ以上酸素を取り入れてもHbにはもうすでに目一杯の酸素が結合していますから。

ちなみにプールで息を止めて潜ると1分くらいすると息が苦しくなります。1分くらいでは体内の酸素は不足しないので、この息苦しさも呼吸ができないことにより体内の二酸化炭素が蓄積してくることによるものです。

酸素が不足するとなるのは高所登山など特殊な状況でしょうか。世界的にみても低い富士山の3776mでさえ酸素飽和度は70%台に下がります。さらにデスゾーンと呼ばれる8000m以上の高所になると酸素飽和度が30~40%台まで下がったり。同じエベレスト登頂といっても無酸素登頂(酸素マスクを使用しない)がどれ程凄い事かよくわかります。

また火災時には一酸化炭素・COが発生します。一酸化炭素は酸素の約250倍Hbと結合しやすい為、一酸化炭素とHbが結合してしまうと、酸素がHbと結合できなくなり酸素不足により窒息死に至ります。

色々脱線したりしましたが、本題に戻り、ランニング練習時、息が苦しくなって呼吸が速くなり『ゼェーハァー・ゼェーハァー』し始めたら『ヤバイよ!ヤバイよ!酸素が不足している』ではなく、『ヤバイよ!ヤバイよ!体内に二酸化炭素が蓄積してきた』と思うようにしてください。そう思ったところで苦しさは変わらない。つまり速く走る為にはなんの役にも立たない雑学でした。。。

西院かんな整骨院

00:00 ランニング障害・勉強 | (0) | (0) | 


 ← 400m x 10本 レペティション | TOP | ランニングミサンガ

COMMENT

COMMENT POST















管理者にだけ表示

Trackback

 ← 400m x 10本 レペティション | TOP | ランニングミサンガ