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インターバルの終盤で、ミトコンドリアを叫ぶ 

多くの市民ランナーのブログで撃沈の2文字が躍るこの季節。皆さん練習してますか?

ところでなぜ撃沈したのでしょうか?練習不足、それなら仕方ありません。でもしっかりと距離も踏んだし30km走も数回やったのに何故か後半に足が重くなってズルズルと失速。その原因はもしかしたら筋肉のミトコンドリアが不足していたのかもしれません。

少し本文が長くなるので下の動画に興味が持てるランナーのみ読み進めてください。
藤原新選手が東京マラソンで2時間7分48秒を出した頃のインタビューです。



ミトコンドリアとは?

市民ランナーならマラソンのエネルギー源として糖質脂質の2つを利用している事は良くご存じだと思います。しかし糖質と脂質を使ってどこでエネルギーが作られているのかまで理解している人は少ないのではないでしょうか。答えは動画を見ればわかりますがミトコンドリアです。

人間の体には60兆個の細胞があり、その1つ1つの細胞に数百~数千個のミトコンドリアが存在します。身体を動かすエネルギーのほとんどはミトコンドリアの中で作られています。つまりミトコンドリアは体の中のエネルギー生産工場なのです。

mpicture.jpg

エネルギーを具体的に言うとATP=アデノシン三リン酸です。

細胞内のミトコンドリア工場では糖質と脂質を原材料に酸素を使ってそれらを水と二酸化炭素に分解し、その過程でATPを作り出します。

糖質・脂質 → ミトコンドリア工場(酸素を使う) → ATP・水・二酸化炭素

実はこのミトコンドリアはトレーニングによってその数や大きさが変化します。ミトコンドリアが増殖・増大するとATPも増産されるので、身体を動かす為のエネルギーが沢山供給されることになり筋肉疲労が起きにくくなります。

マラソンなどでは常にエネルギーを作り続けなければいけません。その為、ミトコンドリア工場はフル稼働。そしてエネルギー生産が追い付かなくなると乳酸が産生されます。なので工場を新たに新設するか拡大してあげれば良いのです。

ちなみにATPは作り置きして貯蔵はできないので、体を動かしている限り常にミトコンドリアで作り続けなければいけません。

ミトコンドリアを増殖・増大させるトレーニングとは?

実験で分かっているのは強度の高い運動がミトコンドリアの増殖・増大に最も効果的だということです。ランニングで言うと、ゆるゆるジョグを60分やってもそれ程ミトコンドリアは増えません。10kmペース走でさえもそれ程ミトコンドリアは増えません。

ミトコンドリアを増やすのに効果的なトレーニングは200m x 15本や400m x 10本や1000m x 5本などの高強度インターバルトレーニング(HIIT:High-intensity interval training)です。今話題の『タバタ式トレーニング』もその一つです。

筋肉に強いストレスを加え危機的な状況を作り上げることでミトコンドリアは増殖・増大するんです。

ミトコンドリアが増殖・増大するとその周りの毛細血管が発達し、酸素の取り込み能力も向上します。

するとマラソンペースで走っている最中にも筋肉でミトコンドリアが多くの酸素を取り込み、効率的に糖質や脂質を燃焼させてエネルギーを作り続けてくれるために足が疲れにくい、つまり30km以降にまだ足が残っている状態になるのです。

ミトコンドリアを増殖・増大させるには最低でもLTペースを超える中・高強度運動が必要です。逆にLT未満の低強度運動の場合、長時間行っても筋肉のミトコンドリアの増殖・増大はそれ程期待できません。

LT(乳酸性作業閾値)がわからなければ
こちらへどうぞ。

速筋繊維と遅筋繊維の違いとは?

筋肉にはミトコンドリアの数が少ない速筋(瞬発系の筋肉)とミトコンドリアの数が多い遅筋(持久系の筋肉)があります。
種類速筋繊維遅筋繊維
スピードとパワー速く大きい遅く小さい
持久力疲れやすい疲れにくい
ミトコンドリアの数少ない(重量の5%)多い(重量の10%)
毛細血管密度低い高い
※心臓の筋肉は重量の40%ものミトコンドリアを含んでいるので疲れない。

速筋繊維はスピードとパワーに優れていますが、ミトコンドリアや毛細血管が少ない為に疲れやすいという特徴があります。一方の遅筋繊維はスピードとパワーは劣るものの、ミトコンドリアや毛細血管が多い為に疲れにくいとうい特徴があります。

この速筋繊維のミトコンドリアを増やすことが鍵になります。しかし普通のジョグやペース走では遅筋繊維が主に使われていて、速筋繊維はあまり使われていません。速筋繊維が使われるのは簡単に言えば全力疾走です。その他インターバルトレーニングでも速筋線維が使われます。一般に運動強度が上がれば上る程、遅筋繊維ではなく速筋繊維が動員されます。

もし速筋繊維のミトコンドリアの増殖・増大に成功すればスピード・パワー・持久力の全てを兼ね備えた理想的な筋肉になります。

30km以降の失速をミトコンドリアが防ぐ?

ミトコンドリアが豊富な筋肉では運動時の糖質(グリコーゲン)分解が抑制されます。その為、脂質を優先的にエネルギー源として利用できるようになります。糖質は体内にわずか500gしか貯蔵できない貴重なエネルギー源です。一方の脂質は体重60kgで体脂肪率が10%なら6000gとほぼ無限に存在します。30km以降にどれだけ糖質が残っているかで残り12kmの走りが変わってきます。

どれくらいの期間トレーニングをすればミトコンドリアは増えるのか?

一般的なマラソントレーニングであれば、一つのトレーニングを始めてから効果が現れるまでに最低でも4~6週くらいは必要です。しかしミトコンドリアの増殖・増大は1週間程度のトレーニングによっても生じます。ですからレースの3週間前から筋肉内のミトコンドリアを増殖・増大させる為のトレーニングを始めれば、本番にしっかりとピークを持ってくることが可能です。

インターバルにこだわらずとも普段のジョグの中で30秒程度の全力走(これによって速筋線維を使う)を4~6セットを週2~3回入れるだけでも効果があります。


ミトコンドリア刺激走と30km走、どちらが効果的?

マラソン後半の失速を防ぐにはどちらの練習が効果的なのか個人的に関心があります。当然両方やればより効果的なのはわかっています。しかしどちらか一方を選べと言われたら?

自身の体験談。2013年12月の防府読売マラソン。その1ヵ月前から5週連続で30km走を4'00"/kmを切るペースで行いました。当時の自分のレースペースは3'55"/kmです。5回も30km走をやったのだから大丈夫と挑んだレースは25km過ぎから足が重く結局は凡記録に。この時は30km走って効果あるの?と疑問に思ったのを記憶しています。

30km走って確かに辛い練習ですが、別の言い方をすれば、30kmも走れるくらいの低い強度の練習とも言えます。本当に高い強度の練習、例えば3'30"/kmペースであれば自分の場合は10kmも走れません。

レースまでまだかなり時間がある場合は30km走。3週間を切ってくればミトコンドリア刺激走に切り替えるのがよいのでしょうか?この辺は個人的な感想でしかありません。


1000mインターバルと200mや400mインターバルの効果の違い


インターバルトレーニングの効果を最大酸素摂取量を増加させる心肺機能の向上とエネルギー代謝を改善させる筋機能の向上に分けて考えます。

1000mインターバルではどちらかと言えば心肺機能の向上効果が高いです。逆に200mや400mインターバルの場合は筋機能の向上効果が高いです。

一般に心肺機能の目安となる最大酸素摂取量(VO2max)に到達する為には2分間程度の疾走が必要だと言われています。つまり3分30秒/kmペースのインターバルであれば最初の2分でVO2maxに到達し、残りの1分30秒で初めてVO2maxを向上させる為の練習になります。

しかし200mや400mの場合、疾走時間が2分に満たない為に、VO2maxに到達しません。まぁめちゃくちゃつなぎを短くして、本数をこなせば到達しますが。なので心肺機能の向上よりは筋機能の向上(ミトコンドリア新生)が主なトレーニング効果になります。


それにしても藤原新選手も最後に良い事言っていますね。
ただ仕組みを知っているから速く走れるっていう訳ではないので
グサッ!。。。ここに仕組みを知っていても40分の壁に全然近づけない男がいます。

お役に立ちましたら拍手ボタンを押して帰って下さいね。
ん?これ間違っているのでは?があればコメント下さい。


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