タナ障害・滑膜ヒダ障害【マラソン・ランニング障害】
2016年02月01日 (月)
膝を曲げ伸ばしする時に膝蓋骨(お皿)の内側・下側の縁に沿った痛みがあればそれはタナ障害(滑膜ひだ障害)の可能性があります。下図の○膝の内側に痛みがあります。
タナ・滑膜ヒダとは?
膝関節は関節包と呼ばれる大きな袋に包まれていて、その中の空間を関節腔と呼びます。生まれる前の母親の体内にいる胎生期にはその関節腔は4つの滑膜ヒダ(かつまくひだ)と呼ばれる隔壁で仕切られています。
それらの滑膜ヒダは生まれる前に徐々に消失してしまうのですが、一部の滑膜ヒダが約50%の確率でそのまま残存します。特に重要な機能があるわけではありません。滑膜ヒダが残存していてもそれが原因で痛みが発生することは非常に稀です。
関節腔を仕切っているので滑膜ヒダは簡単にタナ(棚)と呼ばれたりもします。
膝蓋上滑膜ヒダ(しつがいじょうかつまくひだ)
膝蓋下滑膜ヒダ(しつがいかかつまくひだ)
膝蓋内側滑膜ヒダ(しつがいないそくかつまくひだ)
膝蓋外側滑膜ヒダ(しつがいがいそくかつまくひだ)
の4つの滑膜ヒダが存在しますが、残存しやすく臨床的に膝の痛みの原因になり得る可能性が高いのが膝蓋内側滑膜ヒダです。
タナ障害・滑膜ヒダ障害の症状
●膝の屈伸時に膝蓋骨の下内側縁に痛みを感じる。
●膝蓋骨の内側にひっかかりを感じる。
●膝蓋骨の内側に何かが挟まる感じがある。
●膝を曲げ伸ばしすると『パキッ』『ポキッ』と音がする。
●膝蓋骨の下内側縁を押すと痛い。
●スポーツ動作で膝蓋骨の内側に痛みを感じる。
原因
マラソン・ランニング・自転車など屈伸動作を繰り返すスポーツによる酷使、先天的に膝蓋腱が長い、膝蓋骨の形や位置が悪いなどです。
個人的には筋トレの為に普段しないスクワットを始めた方が、それをきっかけに発症する事が多い印象です。
滑膜ヒダが膝蓋骨と大腿骨の間で繰り返し挟まれると徐々に炎症を起こし肥大したり弾力性を失い硬くなったりします。するとさらに挟まれやすくなり、痛みを我慢してスポーツを続けると症状が増悪します。
最初はスポーツをする時だけ痛みがありますが、悪化すると日常生活でも痛みを伴います。
スポーツをしていなくても、何かで膝の内側を強打して、それがきっかけでタナ障害を発症する事もあります。
検査
MRIにて検査を行います。滑膜ヒダ自体は約50%の人に存在するのでそれだけでは問題になりません。炎症などが起こっているかが重要です。
徒手検査ではPlica Test (プライカ テスト) があります。Plica=ひだ。
●検者は一方の手で患者の膝蓋骨下内側縁を圧迫し、もう一方の手で患者の足関節を把持します。そのまま患者に膝を屈伸してもらい、疼痛や弾発現象(ひっかかり)を確認します。
動画(You tube)
治療
ほとんどのタナ障害は原因となるスポーツを中止する事で徐々に痛みが消失します。太ももの前の大腿四頭筋や後ろのハムストリングスが硬い場合はストレッチを行ないます。
やや症状が強い場合にはステロイドの注射を打ちます。
日常生活でも痛みやひっかかりが強く支障をきたす場合には関節鏡でタナ(滑膜ヒダ)の切除を行ないます。
鑑別疾患
タナ障害の発症頻度はそれ程多くありません。なので安易な自己判断は禁物です。内側の変形性膝関節症・内側側副靭帯損傷・内側半月板損傷・軟骨損傷・滑膜炎・鵞足炎・膝蓋大腿関節症・膝蓋骨軟化症・膝関節水腫など鑑別すべき疾患も沢山あります。
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西院かんな整骨院
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タナ・滑膜ヒダとは?
膝関節は関節包と呼ばれる大きな袋に包まれていて、その中の空間を関節腔と呼びます。生まれる前の母親の体内にいる胎生期にはその関節腔は4つの滑膜ヒダ(かつまくひだ)と呼ばれる隔壁で仕切られています。
それらの滑膜ヒダは生まれる前に徐々に消失してしまうのですが、一部の滑膜ヒダが約50%の確率でそのまま残存します。特に重要な機能があるわけではありません。滑膜ヒダが残存していてもそれが原因で痛みが発生することは非常に稀です。
関節腔を仕切っているので滑膜ヒダは簡単にタナ(棚)と呼ばれたりもします。
膝蓋上滑膜ヒダ(しつがいじょうかつまくひだ)
膝蓋下滑膜ヒダ(しつがいかかつまくひだ)
膝蓋内側滑膜ヒダ(しつがいないそくかつまくひだ)
膝蓋外側滑膜ヒダ(しつがいがいそくかつまくひだ)
の4つの滑膜ヒダが存在しますが、残存しやすく臨床的に膝の痛みの原因になり得る可能性が高いのが膝蓋内側滑膜ヒダです。


タナ障害・滑膜ヒダ障害の症状
●膝の屈伸時に膝蓋骨の下内側縁に痛みを感じる。
●膝蓋骨の内側にひっかかりを感じる。
●膝蓋骨の内側に何かが挟まる感じがある。
●膝を曲げ伸ばしすると『パキッ』『ポキッ』と音がする。
●膝蓋骨の下内側縁を押すと痛い。
●スポーツ動作で膝蓋骨の内側に痛みを感じる。
原因
マラソン・ランニング・自転車など屈伸動作を繰り返すスポーツによる酷使、先天的に膝蓋腱が長い、膝蓋骨の形や位置が悪いなどです。
個人的には筋トレの為に普段しないスクワットを始めた方が、それをきっかけに発症する事が多い印象です。
滑膜ヒダが膝蓋骨と大腿骨の間で繰り返し挟まれると徐々に炎症を起こし肥大したり弾力性を失い硬くなったりします。するとさらに挟まれやすくなり、痛みを我慢してスポーツを続けると症状が増悪します。
最初はスポーツをする時だけ痛みがありますが、悪化すると日常生活でも痛みを伴います。
スポーツをしていなくても、何かで膝の内側を強打して、それがきっかけでタナ障害を発症する事もあります。
検査
MRIにて検査を行います。滑膜ヒダ自体は約50%の人に存在するのでそれだけでは問題になりません。炎症などが起こっているかが重要です。
徒手検査ではPlica Test (プライカ テスト) があります。Plica=ひだ。
●検者は一方の手で患者の膝蓋骨下内側縁を圧迫し、もう一方の手で患者の足関節を把持します。そのまま患者に膝を屈伸してもらい、疼痛や弾発現象(ひっかかり)を確認します。
動画(You tube)
治療
ほとんどのタナ障害は原因となるスポーツを中止する事で徐々に痛みが消失します。太ももの前の大腿四頭筋や後ろのハムストリングスが硬い場合はストレッチを行ないます。
やや症状が強い場合にはステロイドの注射を打ちます。
日常生活でも痛みやひっかかりが強く支障をきたす場合には関節鏡でタナ(滑膜ヒダ)の切除を行ないます。

鑑別疾患
タナ障害の発症頻度はそれ程多くありません。なので安易な自己判断は禁物です。内側の変形性膝関節症・内側側副靭帯損傷・内側半月板損傷・軟骨損傷・滑膜炎・鵞足炎・膝蓋大腿関節症・膝蓋骨軟化症・膝関節水腫など鑑別すべき疾患も沢山あります。
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