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リスフラン靭帯損傷・足の甲の痛み【マラソン・ランニング障害】 

マラソンやトレイルランニングでつま先立ちのような状態から体重を乗せた後に頑固な足の甲の痛みが続く場合、リスフラン靭帯損傷の疑いがあります。下記の図のような状態で負傷しますが、はっきりとした受傷機転がない場合もあります。

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痛みの出る場所はの部分です。

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リスフラン関節とは?


リスフラン関節とは第1~5中足骨と内側・中間・外側の3つの楔状骨(けつじょうこつ)と立方骨からなる関節です。関節と言ってもほとんど動きはありませんが、足の横アーチを保持するのに重要な関節です。

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リスフラン靭帯とは?


足の甲には沢山の靭帯があり骨と骨を繋ぎとめています。その中で第2中足骨と内側楔状骨の間にある靭帯をリスフラン靭帯と呼びます。

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症状・身体所見

●ランニングのキック動作や着地動作での痛み
●階段の下りでの痛み
●つま先立ちができない
●足の甲のリスフラン靭帯部の圧痛
●足の甲・足背部の腫れ
●受傷直後は歩行時痛が強く踵歩行になる

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検査


荷重した状態でレントゲン検査を行なうとリスフラン靭帯が損傷している場合、内側楔状骨と第2中足骨が離れます。また重症例では中足骨が背側(上)へ亜脱臼します。

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上記の亜脱臼はエコー検査でも下図の様に確認できます。

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受傷度分類

StageⅠ : 離開なし
StageⅡ : 2mm以上の離開
StageⅢ : 離開と内側縦アーチの低下

一般的にStageⅡ以上では手術を選択する事が多いです。

2016lisfranc012.jpg 

治療

治療では軽症例では手術をしない保存療法が選択されます。

保存療法では離れてしまった第1・2中足骨を寄せた状態にしてギプスで固定する事で靭帯の修復を促進します。1ヵ月は免荷(体重をかけない)します。ギプスを外した後は足底版を装着しリハビリを行い約2~3ヵ月が競技復帰の目安です。軽症例ではテーピングで代償できる場合もあります。

リスフラン靭帯損傷は軽い捻挫や腱鞘炎などと勘違いして放置されてしまう事がよくあります。難治性なので6ヵ月たっても痛みが残存してしまう場合もあります。少しでもおかしいと感じれば一度医療機関を受診しましょう。

鑑別疾患

中足骨疲労骨折・舟状骨疲労骨折・長母趾伸筋腱腱鞘炎・前脛骨筋腱鞘炎・足背皮神経損傷etc.

蛇足

リスフラン(Lisfranc)とは人名です。ナポレオンの軍医でした。戦争の時にリスフラン関節部で足の切断術を多くしたために名前が残っています。

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