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膝蓋大腿関節症【マラソン・ランニング障害】 

ランニングをしていて膝のお皿の骨・膝蓋骨(しつがいこつ)の裏側や上側に違和感や痛みを感じた場合は膝蓋大腿関節症(しつがいだいたいかんせつしょう)が疑われます。

膝蓋大腿関節症の主な症状

・ランニング時、ランニング後の膝蓋骨の裏側の違和感や痛み
・階段昇降時の膝蓋骨周囲の違和感や痛み
・正座や椅子からの立ち上がり動作時の違和感や痛み
・自転車・ロードバイクでのペダリング動作での違和感や痛み
・膝蓋骨の引っ掛かり感
・膝蓋骨の外側への脱臼感や不安定感
・膝蓋骨周囲の腫れやこわばり
・膝の曲げ伸ばしで膝にゴリゴリ音がする

膝蓋大腿関節とは
膝蓋骨と大腿骨が接触している部分の関節です。膝蓋骨と大腿骨が接触している部分にはそれぞれ軟骨があり摩擦を軽減しています。膝を曲げ伸ばしなどする際には膝蓋骨は軟骨のおかげで上下や左右に滑らかに動きます。

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大腿骨には内側顆(ないそくか)と外側顆(がいそくか)と呼ばれる凸面がありその間は凹んでいます(顆間溝)。逆に膝蓋骨の関節面はV字型になっており、膝を曲げる際には膝蓋骨の凸が大腿骨の 凹にうまくはまり込む形で上下に移動します。下左図は膝を曲げた状態です。
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なぜ違和感や痛みなどの症状が出現するのか
さまざまな要因により膝の屈伸動作で膝蓋骨が大腿骨の凹部分に上手く嚙み合わず、圧迫・摩擦・衝突し炎症や軟骨の損傷を起こします。膝を曲げていくと膝蓋骨と大腿骨の接触面積は徐々に広がり、膝を90°曲げたあたりで最大となります。膝を伸ばした状態では膝蓋骨と大腿骨はほぼ接触していません。

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膝蓋骨は膝を曲げると下に移動します。逆に膝を伸ばすと上に移動します。上下におよそ5~7cm移動します。大腿骨の凹み(顆間溝)のレールの上を移動するイメージですが、時に膝蓋骨が骨の凹みのレールから外れて脱線すると症状を誘発します。医学的には膝蓋骨のマルトラッキングと呼ばれる現象です。

膝蓋骨は一般的に外側に脱臼するので膝蓋大腿関節症もやや外側に症状が発症しやすい傾向にあります。ランニングの着地の際に膝が内側に入るKnee-in Toe-outは症状を誘発するフォームになります。

女性と男性では骨格が異なり一般的にQ-angle(キューアングル)の大きい女性の方が膝が内側に入りやすく発症しやすい傾向にあります。
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膝蓋大腿関節症の画像所見

【レントゲン】
膝を曲げた状態で膝蓋大腿関節のレントゲンを撮影すると下図のように見えます。膝蓋骨は大腿骨の凹に綺麗にはまり込み間にはスペースがしっかりあります。
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膝蓋大腿関節症のある方の場合には下図のように膝蓋骨が外側に亜脱臼している場合もあります。
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上図の様になってしまう原因は様々で、X脚・内側膝蓋大腿靭帯の断裂・大腿骨の顆間溝の凹みが浅い・膝蓋腱が付着する脛骨粗面の外側偏位・膝蓋骨高位症など複雑です。

【超音波・エコー】
超音波で観察する際、膝を伸ばした状態だと膝蓋骨が邪魔で音波が伝わらないため、膝を曲げることで大腿骨側の関節面である部分の観察が可能です。全体像はエコーでは観察できません。

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正常像(長軸像)
膝蓋大腿関節症・膝蓋大腿関節障害 

膝蓋大腿関節症
膝蓋骨軟化症 

同一人物の健側と患側
anterior knee pain syndrome 

膝蓋大腿関節症
膝蓋大腿関節症20170624a 

正常像膝蓋大腿関節症



膝蓋大腿関節症20170624b 


自分でできる対処方法

まずは痛みのある動作をなるべく避ける事が必要ですが、それ以外に一般の方が簡単にできるものは2つ。

太ももの前面にある大腿四頭筋の筋力トレーニングストレッチです。これで全てが解決するわけではありませんが、まずは3か月やってみる事です。それで痛みが取れなければ他の方法を考えます。

膝蓋骨は大腿四頭筋(内側広筋・外側広筋・中間広筋・大腿直筋)の力を伝える為の種子骨ですが、この筋肉が硬いと膝を曲げた際に膝蓋骨が押し付けられ大腿骨との接触圧が上昇します。

また大腿四頭筋のうち、内側広筋は膝蓋骨が外側へ移動するのを防ぐ働きがあります。

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パテラセッティング(筋力トレーニング)
膝の下にバスタオルなどを挟みます。そしてそのバスタオルを膝裏で押しつぶす様に太ももの前に力を入れます。足首を甲側に曲げると力が入りやすくなります。重要なのは太もも前面の内側にある内側広筋を意識して行う事です。何も考えずに行うのと特定の筋肉を意識して行うのではトレーニング効果が異なります。※パテラ(patella)=膝蓋骨

押し付けた状態を5秒~10秒継続して力を緩めるを20回(目安)

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大腿四頭筋の硬さのチェックとストレッチ
チェックする反対側の膝を90°に曲げる。チェックする側の膝を体の真下よりやや後方に着く。上体を垂直に保ったままで、手を使ってかかとをお尻に近づけてみてください。簡単にかかとがお尻につかなければ太ももの前の筋肉が硬い証拠です。しっかりとストレッチしましょう。下の図がそのままストレッチにもなります。


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自分の場合、全くストレス無くかかとがお尻につきます。

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