大腿四頭筋の肉離れ【マラソン・ランニング障害】
2017年08月01日 (火)
急激なダッシュ動作や体勢が崩れた際の踏ん張り動作で太ももの前面に痛みを感じたらそれは大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の肉離れかもしれません。
太ももの前面にある大腿四頭筋は4つの筋肉の総称です。内側に内側広筋(ないそくこうきん)・外側に外側広筋(がいそくこうきん)・中央の浅層に大腿直筋(だいたいちょっきん)・中央の深層に中間広筋(ちゅうかんこうきん)があります。
この中で肉離れを起こすのはほとんどの場合、中央の浅層にある大腿直筋です。※二関節筋のため
エコーでは下図の様に描出されます。
長軸像(縦に見ている)
短軸像(輪切りに見ている)
症状
圧痛(押すと痛い)
突っ張り感
階段昇降時痛
ストレッチ痛
ランニング痛
しゃがみ動作時痛
重症度
腹臥位(お腹が下)で痛みのない方の膝と痛みのある方の膝を交互に曲げて、膝関節の動きにどれだけ制限があるかで判断できます。通常は角度計で計測しますが、無い場合は踵と臀部の距離(HBD:heel buttock distance)が簡便です。
また太ももの中央に圧痛があれば比較的軽症の場合が多く、股関節や膝関節に近づく程に中等症~重症、もしくは治癒に時間がかかる事が多いです。中央の筋腹は血流が良く、筋肉と腱の移行部はやや血流が悪く、腱付着部はさらに血流が悪いためです。
治癒・復帰までの期間
軽症で1~2週間・中等症で4~6週間・重症で3~6ヶ月。あくまでも目安です。
大腿直筋肉離れのエコー画像
筋線維(筋周膜)が途中で途絶しています。断裂部の周囲が明るく高エコーに描出されているのは周囲にじわじわと出血が広がっているためです。まずは長軸像です。
次に別の症例の短軸像です。大腿直筋内に低エコー像が確認できます。
次も別の症例の短軸像です。大腿直筋内に低エコー像が確認できます。
一般的に肉離れを起こした筋肉は腫れて大きくなります。
動画
大腿部の打撲・挫傷
トレイルランニングで転倒し岩や木に太ももの前面を強打したり、コンタクトスポーツで相手選手の膝が入ったり(通称:ももかん)すると大腿四頭筋が損傷します。肉離れの時と違い、大腿骨のすぐ上にある中間広筋が損傷する事が多いです。皮膚の上から圧がかかると浅層の大腿直筋ではなく、深層の中間広筋が大腿骨に強く押し付けられ、時に筋肉内に血腫が確認できます。
エコーでは大腿部(この場合は外側広筋)に黒い血腫が確認できます。下図(長軸像)は患側と健側を並べています。
下図は大腿部を輪切り(短軸像)にしたエコー画像です。大腿骨の直上に大きな血腫が広がっています。
骨化性筋炎
打撲などで筋肉が損傷すると出血し時に血の塊である血腫(けっしゅ)ができます。その状態で十分な安静を取らずに不必要な刺激が加わると血腫内にカルシウムが異常に集積して石灰化が生じて骨が形成されます。本来ないはずの場所に骨ができるので大腿部に痛みや腫れ、関節の可動域制限(膝が曲げられない)などの症状が見られます。無理のない範囲で段階的にスポーツ復帰する事で徐々に小さくなります。(4~6ヶ月)
エコーでは骨化性筋炎は骨のすぐ直上に白い線として確認できます。そこでエコーが跳ね返されるので本来は描出されるはずのその下にある骨の輪郭が途切れます。
レントゲンでは下図の様に確認できます。受傷から最初の骨化が起こるまでに約1~2週間ですが、レントゲンで確認できるまでには約1ヶ月を要します。しかしエコーでは比較的早期に確認可能です。
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西院かんな整骨院
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マラソン・ランニング・ジョギング障害!
太ももの前面にある大腿四頭筋は4つの筋肉の総称です。内側に内側広筋(ないそくこうきん)・外側に外側広筋(がいそくこうきん)・中央の浅層に大腿直筋(だいたいちょっきん)・中央の深層に中間広筋(ちゅうかんこうきん)があります。
この中で肉離れを起こすのはほとんどの場合、中央の浅層にある大腿直筋です。※二関節筋のため


エコーでは下図の様に描出されます。
長軸像(縦に見ている)

短軸像(輪切りに見ている)

症状
圧痛(押すと痛い)
突っ張り感
階段昇降時痛
ストレッチ痛
ランニング痛
しゃがみ動作時痛
重症度
腹臥位(お腹が下)で痛みのない方の膝と痛みのある方の膝を交互に曲げて、膝関節の動きにどれだけ制限があるかで判断できます。通常は角度計で計測しますが、無い場合は踵と臀部の距離(HBD:heel buttock distance)が簡便です。

また太ももの中央に圧痛があれば比較的軽症の場合が多く、股関節や膝関節に近づく程に中等症~重症、もしくは治癒に時間がかかる事が多いです。中央の筋腹は血流が良く、筋肉と腱の移行部はやや血流が悪く、腱付着部はさらに血流が悪いためです。

治癒・復帰までの期間
軽症で1~2週間・中等症で4~6週間・重症で3~6ヶ月。あくまでも目安です。
大腿直筋肉離れのエコー画像
筋線維(筋周膜)が途中で途絶しています。断裂部の周囲が明るく高エコーに描出されているのは周囲にじわじわと出血が広がっているためです。まずは長軸像です。

次に別の症例の短軸像です。大腿直筋内に低エコー像が確認できます。

次も別の症例の短軸像です。大腿直筋内に低エコー像が確認できます。

一般的に肉離れを起こした筋肉は腫れて大きくなります。

動画
大腿部の打撲・挫傷
トレイルランニングで転倒し岩や木に太ももの前面を強打したり、コンタクトスポーツで相手選手の膝が入ったり(通称:ももかん)すると大腿四頭筋が損傷します。肉離れの時と違い、大腿骨のすぐ上にある中間広筋が損傷する事が多いです。皮膚の上から圧がかかると浅層の大腿直筋ではなく、深層の中間広筋が大腿骨に強く押し付けられ、時に筋肉内に血腫が確認できます。
エコーでは大腿部(この場合は外側広筋)に黒い血腫が確認できます。下図(長軸像)は患側と健側を並べています。

下図は大腿部を輪切り(短軸像)にしたエコー画像です。大腿骨の直上に大きな血腫が広がっています。

骨化性筋炎
打撲などで筋肉が損傷すると出血し時に血の塊である血腫(けっしゅ)ができます。その状態で十分な安静を取らずに不必要な刺激が加わると血腫内にカルシウムが異常に集積して石灰化が生じて骨が形成されます。本来ないはずの場所に骨ができるので大腿部に痛みや腫れ、関節の可動域制限(膝が曲げられない)などの症状が見られます。無理のない範囲で段階的にスポーツ復帰する事で徐々に小さくなります。(4~6ヶ月)
エコーでは骨化性筋炎は骨のすぐ直上に白い線として確認できます。そこでエコーが跳ね返されるので本来は描出されるはずのその下にある骨の輪郭が途切れます。


レントゲンでは下図の様に確認できます。受傷から最初の骨化が起こるまでに約1~2週間ですが、レントゲンで確認できるまでには約1ヶ月を要します。しかしエコーでは比較的早期に確認可能です。

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