二分靭帯損傷・踵骨前方突起骨折【マラソン・ランニング障害】
2017年10月01日 (日)
ロードを走っていて足首を捻挫(ねんざ)する残念なランナーはそれ程いないと思いますが、トレイルを走っていると足首を捻挫することはあると思います。足首の捻挫では一般的に前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)を損傷することが多いのですが、それとは別の二分靭帯(にぶんじんたい)と呼ばれる少しマイナーな靭帯を損傷することもあります。
圧痛の部位が微妙に違います。
二分靭帯はその名の通り、二つに分かれている靭帯です。踵骨→舟状骨をつなぐ踵舟靭帯(しょうしゅうじんたい)と踵骨→立方骨をつなぐ踵立方靭帯(しょうりっぽうじんたい)の2つをあわせて二分靭帯と呼びます。
巷では前距腓靭帯の損傷に比べ二分靭帯の損傷は軽視されていて『放っておいてもそのうち治る』などと言われることもある可哀そうな靭帯ですが、実は場合によっては完治までに長期を要します。
当然、二分靭帯が単独で損傷する場合もありますが、前距腓靭帯やその他の靭帯と一緒に損傷する場合もあります。
まぁ二分靭帯の単独損傷であれば、テーピングやサポーターなどで固定し安静にすれば1~3週程度で痛みは軽減・消失するでしょう。
踵骨前方突起骨折
内返し捻挫の際に二分靭帯が断裂するのではなく、靭帯に引っ張られて踵骨前方突起(しょうこつぜんぽうとっき)と呼ばれる骨の一部が裂離骨折を起こすことがあります。
圧痛は二分靭帯と同じところにありますが、この場合は単なる二分靭帯損傷と判断して放置していると症状が長期化することがあります。下図黒○の部分が踵骨前方突起でそこに赤のラインの二分靭帯が付着します。
実は踵骨前方突起骨折があったとしても、レントゲン検査では骨片が他の骨と重なるためにかなりの確率で見落とされてしまいます。CT検査をすれば確実に診断されますが、捻挫でいきなりCTを撮影することは稀です。痛みが半年~1年くらい続き、少しおかしいなと言うことでCTを撮影すると踵骨前方突起骨折が見つかることもあります。
超音波エコー検査では比較的簡単に描出できます。
同一人物の健側
同一人物の患側
健側と患側
踵骨前方突起骨折の動画
上記の方も初期にレントゲンを撮影されたそうですが骨折はないとの診断を受けました。受傷後3週間経過してもやけに痛みが強いなということでエコー検査を受けました。ちなみにこの方は前距腓靭帯の損傷と腓骨の裂離骨折もありました。強く足首を捻じると場合によっては複数個所を骨折することもあるんですね。
受傷後、比較的早期に踵骨前方突起骨折が見つかればギプスでの固定を行い骨癒合を目指します。発見が遅れた場合にはサポーターなどでの固定が行われ痛みの軽減・消失を目指します。時に骨が癒合せず痛みが残存することがあり、その場合には手術による骨接合術や骨片摘出術が行われることもあります。骨癒合しなかった人すべてに痛みが残存するわけではありません。
インターネットで簡単に情報を得ることができるようになってはいますが、二分靭帯は基本的に安静にして湿布を貼っておけばそのうち治るという情報を鵜呑みにして放置するもなかなか痛みが引かない場合は踵骨前方突起骨折やその他の外傷・障害が隠れているかもしれませんのでお気をつけ下さい。
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圧痛の部位が微妙に違います。

二分靭帯はその名の通り、二つに分かれている靭帯です。踵骨→舟状骨をつなぐ踵舟靭帯(しょうしゅうじんたい)と踵骨→立方骨をつなぐ踵立方靭帯(しょうりっぽうじんたい)の2つをあわせて二分靭帯と呼びます。



巷では前距腓靭帯の損傷に比べ二分靭帯の損傷は軽視されていて『放っておいてもそのうち治る』などと言われることもある可哀そうな靭帯ですが、実は場合によっては完治までに長期を要します。
当然、二分靭帯が単独で損傷する場合もありますが、前距腓靭帯やその他の靭帯と一緒に損傷する場合もあります。
まぁ二分靭帯の単独損傷であれば、テーピングやサポーターなどで固定し安静にすれば1~3週程度で痛みは軽減・消失するでしょう。
踵骨前方突起骨折
内返し捻挫の際に二分靭帯が断裂するのではなく、靭帯に引っ張られて踵骨前方突起(しょうこつぜんぽうとっき)と呼ばれる骨の一部が裂離骨折を起こすことがあります。

圧痛は二分靭帯と同じところにありますが、この場合は単なる二分靭帯損傷と判断して放置していると症状が長期化することがあります。下図黒○の部分が踵骨前方突起でそこに赤のラインの二分靭帯が付着します。


実は踵骨前方突起骨折があったとしても、レントゲン検査では骨片が他の骨と重なるためにかなりの確率で見落とされてしまいます。CT検査をすれば確実に診断されますが、捻挫でいきなりCTを撮影することは稀です。痛みが半年~1年くらい続き、少しおかしいなと言うことでCTを撮影すると踵骨前方突起骨折が見つかることもあります。

超音波エコー検査では比較的簡単に描出できます。
同一人物の健側

同一人物の患側

健側と患側

踵骨前方突起骨折の動画
上記の方も初期にレントゲンを撮影されたそうですが骨折はないとの診断を受けました。受傷後3週間経過してもやけに痛みが強いなということでエコー検査を受けました。ちなみにこの方は前距腓靭帯の損傷と腓骨の裂離骨折もありました。強く足首を捻じると場合によっては複数個所を骨折することもあるんですね。

受傷後、比較的早期に踵骨前方突起骨折が見つかればギプスでの固定を行い骨癒合を目指します。発見が遅れた場合にはサポーターなどでの固定が行われ痛みの軽減・消失を目指します。時に骨が癒合せず痛みが残存することがあり、その場合には手術による骨接合術や骨片摘出術が行われることもあります。骨癒合しなかった人すべてに痛みが残存するわけではありません。
インターネットで簡単に情報を得ることができるようになってはいますが、二分靭帯は基本的に安静にして湿布を貼っておけばそのうち治るという情報を鵜呑みにして放置するもなかなか痛みが引かない場合は踵骨前方突起骨折やその他の外傷・障害が隠れているかもしれませんのでお気をつけ下さい。
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