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蜂窩織炎・腫れ・熱感・発赤【マラソン・ランニング障害】 

 マラソン・ランニングをしていて怪我をした際に組織が腫れる事がありますよね。しかし腫れの中には注意しなければいけない腫れがあります。それが熱感(触ると熱がある)や発赤(皮膚が赤い)を伴った腫れです。この場合、筋肉や腱、靭帯など運動器の障害ではなく、感染症の可能性もあります。

市民ランナーであれば靴擦れをおこしたり、トレイルランナーであれば転倒して脚に傷がある方もいるのではないでしょうか。その小さな傷からばい菌が侵入して増殖すると蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症します。特にフルマラソン等を走った後の1週間は免疫力が低下しているので要注意です。

蜂窩織炎とは黄色ブドウ球菌(おうしょくぶどうきゅうきん)や溶連菌(ようれんきん)と呼ばれる常在菌(普通に皮膚に存在している菌)が免疫力が低下したのをきっかけに皮膚の小さな傷から侵入し増殖する感染症です。

体は表面から表皮→真皮→皮下組織→筋肉→骨という構造ですが、蜂窩織炎はこの中の真皮から皮下組織(主に脂肪組織)に起こる感染症です。
蜂窩織炎20181214 


【症例1】
自身と一緒に亀岡ハーフマラソンに参加した30代男性市民ランナーKさん。2018年12月9日に亀岡ハーフを完走。その後12月13日頃に右膝のお皿の下あたりに痛みと腫れを自覚。ちなみに1週間前に受診した際は膝の不調はありませんでした。今回受診時の写真を下に表示します。
蜂窩織炎20181218 

確かに右膝のお皿の下が腫れています。触ると痛みがあり少しブヨブヨしています。レース後の膝の痛みなので普通に考えると『膝蓋腱炎・関節水腫・膝蓋前皮下包炎・膝蓋下脂肪体炎など』が頭に浮かびますが、よく観察すると少し発赤(ほっせき)を認めます。先ほど列記した障害では腫れはあっても発赤はありません。

さらによく観察すると膝の前に小さな傷があります。この方はお仕事で膝を突くことが多いとの事です。しかもレース後なので免疫力も低下していると考えられます。
蜂窩織炎20181218b 


エコーで膝蓋骨の下を観察すると通常は下図のように描出されます。(これは正常像です)
蜂窩織炎・腫れ・発赤・熱感 

Kさんの膝をエコーのドプラと呼ばれる炎症を表示する機能を使って観察すると、皮下組織(脂肪組織)に赤い炎症反応が多数確認できました。
蜂窩織炎・腫れ・発赤・熱感 

その為、蜂窩織炎を疑い皮膚科の受診をすすめて抗生物質の処方を受けられました。

下の動画は初診時からの経過をまとめたものです。


まぁ滅多に起こるものではありませんが、腫れは腫れでも『熱感と発赤を伴った腫れは要注意!』ということです。あとレース後1~2週間は自覚はなくても免疫力が低下しているので体調管理には気を付けて下さい。数年前、自身も萩往還140kmを雨と風の中で完走し、その3週間後に帯状疱疹を発症した経験があります。
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