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痛風性関節炎・足の親指や甲の激痛【マラソン・ランニング障害】 

男性市民ランナーで急に足の親指や甲に強い痛みと腫れが出現した場合、それはもしかしたら痛風発作かもしれません。最初の発作は足の親指のつけ根に起こることが最多で、くるぶし、かかと、アキレス腱、足の甲を含めると9割以上が足に起こります。普段から走っている市民ランナーではスポーツ障害と誤認してしまうかもしれません。


 
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痛風とは

体の中では代謝の過程で尿酸が作られ、それらは腎臓から尿として、腸管から便として排泄されます。この作られる量と排泄される量のバランスが崩れ、血液中の尿酸が増加すると溶けきれなくなった尿酸が関節で結晶化します。この結晶がなにかのきっかけで剥がれ落ちると白血球が異物として認識して攻撃をしかけ炎症が起こり激しい痛みに襲われます。

典型的な痛風発作では痛みが激しく歩行困難になることもあります。一般的には10日前後で軽快しますが、放置すると数ヶ月に1回や数年に1回、痛風発作を繰り返します。

血清尿酸値の正常上限は7.0mg/dlで、これを超えると高尿酸血症と診断されます。

原因

ほとんどが体質(遺伝的要因)だと言われています。なので自分は普段から食生活に気をつけて、適度にランニングをしていると自負していても健康診断で高尿酸血症と診断されるかもしれません。

大規模な調査では30歳~40歳代男性の約3割が高尿酸血症だという事です。思っている以上に多いですよね。尿酸産生量は20~40歳頃に増加し、その後減少するため60歳を過ぎると高尿酸血症の頻度が減少することが報告されています。

患者の約98%が男性ですが、女性はもともと血中の尿酸濃度が男性に比べて低いため痛風にはなりにくく、さらに女性ホルモンのエストロゲンには尿酸の排泄を促進する働きがあるためです。

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※男性のみの数値ですが、全体で見ても25%以上です。ただし血清尿酸値が7.5mg/dlの方と9.5mg/dlの方では痛風発作のリスクが全然違います。

ランニングと痛風

痛風は季節的には7月の暑い時期に患者が増えます。暑さで汗をかき体内の水分が少なくなるものの、汗からは尿酸はほとんど排泄されず血中の尿酸濃度が高まるためだと考えられています。ランナーの場合、暑い時期にランニングをすると平気で1.5~2Lくらいの発汗があります。

高尿酸血症の場合、1日に2L以上の水分摂取を指導されますが、市民ランナーの場合はそれ以上の水分摂取が必要になるかと思います。

高尿酸血症の方の場合、短い時間に筋肉を激しく使い、瞬発力を要求される運動をすると尿酸値は上昇します。(ウェイトトレーニングなど)しかしランニング・ジョギングなどの有酸素運動では尿酸値は上がりません。

400mx10本等のレペティションはやや前者に当たるとは思いますが大丈夫なんでしょうか?わかりません。


血清尿酸値と薬

痛風発作を起こしている最中は炎症反応の影響で腎臓からの尿酸排泄が亢進しており、血清尿酸値を測定すると半数ほどの方で正常値以下を示すことがあるそうです。その場合は発作が治まってから再度血液検査をする必要があります。

高尿酸血症でも尿酸値が8.0mg/dl未満で過去に発作の経験がなければ薬は必要ありません。8.0~8.9mg/dlであれば総合的に判断して薬を処方される場合もあります。尿酸値が9.0mg/dl以上になってしまうと痛風発作や合併症を起こす危険性が極めて高いのでほとんどの場合、薬物療法を始めることになります。


エコー画像検査

エコーでは患部の炎症の程度と関節に蓄積した尿酸塩結晶の有無を確認できます。

Double contour サイン
エコーでは骨は白い線として描出されます。そして関節面の骨の表面には軟骨があります。軟骨はエコーでは黒い像として描出されます。その軟骨の表面に尿酸塩結晶が蓄積すると二重の輪郭が描出され、これをDouble contour sing(ダブルカントアーサイン)と呼びます。contour=輪郭。ちなみに患側と比較しようと健側を調べても同じように二重の輪郭が確認できることがあるので、高尿酸血症の方では症状が全くないあらゆる関節に日常的に尿酸塩結晶は蓄積しており、いつ発作を起こしてもおかしくない状態なのでしょう。

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痛風・痛風性関節炎・double contour sign 

ちなみに薬物療法で血清尿酸値を6.0mg/dl以下で良好にコントロールしても関節内の尿酸塩結晶が消失するには2年ほどかかると言われています。その間は痛風発作のリスクがあるため要注意です。


痛風性関節炎のエコー動画
赤い点滅が炎症を表しています。男性Aは母趾のMTP関節に、男性Bは足の甲に。2人とも血清尿酸値は9.0mg/dl以上です。男性Bは2年前からスポーツ中に足の甲の痛みを自覚していましたが、自身が痛風だと知ったのは痛風発作を起こす3ヶ月前にたまたま受診した健康診断でした。




なぜ足に好発するの?

痛風発作が足の親指に好発することをご存知の方も多いでしょうが、なぜ足に好発するのでしょうか?

熱いコーヒーと冷たいコーヒーに砂糖を入れると冷たいコーヒーの方が砂糖が溶けきらないのは想像できます。それと同じように尿酸も冷たいところでは溶けずに結晶化してしまいます。

一般的に脇の下で体温を測ると36.5℃くらいですが、足先では10℃以上も低かったりするのです。その場合は26.5℃ですが、冷え性の方では10℃台にまで低下することも。そうなると尿酸値が高い方は徐々に関節の軟骨表面に結晶が蓄積されていきます。


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