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ランナーの為の鉄の話(前編) 

ランナーと鉄は切っても切り離せない関係にあります。なぜなら自分が思っている以上に鉄によってタイムを左右されているからです。一般的に鉄欠乏性貧血とは体内の血液の量が減少した状態ではなく、血液中の赤血球またはヘモグロビン(以下Hb)濃度が低下した状態です。

赤血球とヘモグロビン
赤血球の寿命は120日です。赤血球に含まれるHbはヘム(鉄)とグロビン(アミノ酸=たんぱく質の一種)でできています。したがってヘモグロビンを作るためには鉄分とたんぱく質の摂取が不可欠です。ヘモグロビン=ヘム(鉄)+グロビン(たんぱく質)

 iron01.jpg

※Hb濃度が男性で13g/dl、女性で11g/dl未満を貧血と考える。(個人差あり)
※しかし一般には8g/dl程度にならないと貧血の症状を自覚しない。


鉄の体内での存在形態
通常体内には成人男性で約3g、成人女性で約2gの鉄が存在しています。1日に喪失する生理的な鉄量は1mgでそれを補うかたちで1mgの鉄が食事により摂取されます。じゃあ毎日鉄を1mg摂取すればいいんだな、とそう単純ではありません。それは後編で。

 iron02.jpg  

上の表のように体の中の鉄は様々な働きをするためにそれぞれに形態を変えて存在します。 有名なのはヘモグロビンですね。

ここで重要なポイントは鉄は機能鉄(75%)貯蔵鉄(25%)(肝臓、脾臓、骨髄などで貯蔵)にわかれます。一般の血液検査では機能鉄であるヘモグロビン濃度は調べますが、ランナーはそれ以上に貯蔵鉄である”フェリチン”が重要な意味を持っています。

鉄欠乏の進み方
ランナーでは大量の発汗により失われたり、足底血管の圧迫(着地の衝撃)による血管内溶血(赤血球の膜が破れるなどしてヘモグロビンが血球外に出る)で尿中に失われたり、また消化管出血、月経などでも鉄の喪失がおこります。(月経のある女性では1日に2mgもの鉄を喪失)

通常、体内の鉄欠乏は簡素化して説明すると。貯蔵鉄(フェリチン)→機能鉄(Hb)の順番で進みます。逆に摂取時は機能鉄(Hb)→貯蔵鉄(フェリチン)の順で増加します。ここで重要なのは鉄の欠乏は機能鉄(Hb)よりもまず先に貯蔵鉄(フェリチン)に起こるということです。


貯蔵鉄(フェリチン)の重要性
長距離ランナーを例にとると、潜在性の鉄欠乏状態(自覚症状なし)であることが多く、血液検査でHb値は正常であっても貯蔵鉄を反映する血清フェリチン濃度が低下していることが多いのです。Hbが欠乏すると貧血の各症状が出てきますが、持久力を要するスポーツでは貯蔵鉄(フェリチン)の低下の時点で競技力に変化が出てくることがはっきりとわかっています。(しかし一般の血液検査ではフェリチンまでは測定せず、またフェリチンの検査は少し値段が高いのであまり馴染みがないようです。ですので潜在性の鉄欠乏状態があっても気がつきません)

血清フェリチンの正常値:男性25~270ng/ml 女性10~70ng/ml
※鉄欠乏性貧血ではほとんどの場合フェリチン値が10未満(一桁)になります
※肝癌・脾癌・肺癌・子宮癌などではフェリチン値は上昇するため腫瘍マーカーとしても使用されます

『女子ランナーはフェリチンの値が20ng/mlを切るあたりから調子を落とし、12ng/ml以下になるとまともには走れない』(大阪体育大学 豊岡示朗教授)


血液検査ではヘモグロビンの値は正常、でも最近なんだか記録が伸びないランナーはもしかしたら貯蔵鉄(フェリチン)の低下が原因かも知れません。東洋大学の新・山の神こと柏原竜二選手も高校時代はずっと貧血に悩んでおり、食事療法により貧血が改善した3年の冬の大会でやっと素晴らしい結果を残したのです。

次回は鉄分の摂取方法について...。

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